電子ドラムを買った。
数か月前、所属する軽音バンドからドラムが抜け、リードギターからドラムに転向することになった私。太鼓の達人というリズムゲームに一時はまっていたこともあり、興味があったので私はそれを快く受け入れたが、どうしても問題なのはその練習方法だ。
生ドラムで最高の音を出したいところだが、そんな真似をしてしまえば、いくら一軒家といえお隣お向かい半径20メートルのご近所から人が殴り込んでくるのは目に見えている。
となるともう残されたのはイメージトレーニングか電子ドラムである。実際、ドラム転向が決定してから1か月ほどは、それなりに長い木の棒で文庫本を叩き、床を踏んづけて練習していた。その頃から電子ドラム購入は視野に入っていたが、なんせ非バイト勢の学生の私には、大きな買い物である。
初心者向けの2~3万円のセット(それでも十分高い)も存在するが、最大の弱点が、この価格帯のものはすべてバスドラムのペダルがただのスイッチなのだ。
少し説明すると、ドラムの一番低い音が出る、足で鳴らすバスドラムというドラムがあるのだが、実際のドラムでは、足で踏むフットペダルでバスドラム用のバチ的なものを動かして、それがバスドラムを水平に叩くことで音を出す。しかし、初心者向けの電子ドラムはフットペダルはただのスイッチで、それを踏むと、音が出る単純な作りだ。つまりどういうことかというと、本物を鳴らす感覚と電子ドラムを鳴らす感覚に大きな乖離ができてしまうわけだ。特にフットペダルは、ビーターの慣性や、面での跳ね返りの力など、制御が難しく、最初の壁のようになっているのだが、家でその練習が全くできない。ましてや、練習すればするほど下手になってしまうのではないだろうか。と、なると、電子ドラムを買う意味が半減どころではないだろう。
ドラム歴も全然ないくせにわかったようなことを言っているが、練習環境とリハの環境の乖離が、どれだけ時間を無駄にするかは、1年のバンド経験から痛いほどわかっているので、最低でもこのフットペダルが、リアルを模した設計になっているものを選ぼうと、はじめから考えていた。
で、そのグレードのものになると、価格は最低でも5万から。
このためにとっておいたお年玉だが、いざ5万となると何かほかのより良い使い道を考え始めてしまうのが、私の悪いところ。しかし、どうせとっておいたところで、浪費で溶けていく未来は目に見えている。そう思って、その時をじっと待った。
そしてついにその時は来た。Amazonタイムセール。20%引き。私は意を決してpaypayに52000円を入金。そして、購入を確定した。
私が買ったのはAlesisというメーカーのNitro Max kitという電子ドラムセット。これからは少しそのレビューに入る。
この写真がそれだ。

Alesis nitro max kit。ドラムの配置が説明書と若干違うが、軽音部室のセットに寄せて配置した。

このキットのフットペダル。本物を模した作りになっている。
ちなみに、ドラム用の丸い椅子を買うお金はなかったので、ピアノ用の長い椅子を斜めにして使っている。

転生させられるピアノ用椅子
ドラムの音色や、強弱の反応、その他細かい音について私は全くの素人であるが、少なくとも今の段階では大満足の練習環境だ。騒音についても、案外フットペダルを踏んだ時の振動が大きく、一階にいると結構聞こえる。が、家族はその辺は寛容なので、問題はない。(練習していると父親が興味津々で見に来るのが若干めんどうくさいが、うるさいなどと言われるより100倍マシなので黙っておく)
こいつの弱点は、まともな日本語の説明書がないことだろう。買ったときには、それぞれのパーツが別々で、自力で組み立てなければならないのだが、そのやり方がとても分かりずらかった。組み立て方について入っていたのは、ペラペラの紙一枚。説明書のどのパーツが、現実のどのパーツに対応するのかなどは、完全に絵をみて判断するしかなく、どのネジをしめるのか、どのようにパーツを結合するのか、全然書いてない。こういうのには結構自信があった私だが、一人で組み立てて、1時間強かかった。何度か工程を間違えたが、完成図を思い浮かべながらやればなんとなくで、出来上がった。IKEAの家具とはまるで話が違う。
それから、説明書が欲しいのは組み立てるときだけではない。一枚目の写真の、ドラムスティックが乗っている機械、これが電子ドラムの根幹ですべての音や電気的な処理を担うものなのだが、こいつの細かい操作方法がわからないのだ。
英語のマニュアルはあった。しかし、マニュアルなんて、片っ端から読むものではない。適当に流し見て、こんな機能が、あんな機能があるのかと気になったところをピックアップしたいのに、英語では難しい。翻訳する気も起きない。
ので、現段階では、手探りでいじくって、自分で見つけた機能をいじっているのだが、まだわからないパラメータや操作がいっぱいある。そのうちちゃんと説明書を読むつもりだが、まぁ単純に。日本語のマニュアルが欲しい。
と、文句があるのはこの辺り。逆に言うと、マニュアル以外は特に文句がないという事だ。まぁ5万円という破格の値段(有名ブランドだと実は10万を超えてくる)で、この程度の不満しかないなら、よい商品だと思う。こちらが頑張れば済む話だ。
と長くなってしまったが、キットのレビューはこんな感じだ。
こいつを使ってここ数週間は練習をしている。
そしてついに今日のリハで一曲通せるようになったわけだ。
曲は椎名林檎で、幸福論。
比較的シンプルなドラムの選曲で非常に助かっている。
この5万円を、どこまで使い倒せるか。今年のお年玉が私にとって一体何に化けたのか。それは、これからの軽音活動ひいてはバンドリーダーである私の方針にかかっているのだろう。
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